千思万考14 研修会を終えて

10月24日に中国不動産鑑定士協会連合会の研修会が開催された。
内容は、「正常価格」について基調講演とディスカッションである。

この研修会の開催準備に概ね1年間を要した。
(社)日本不動産鑑定協会に研修規程が整備されて以来、全国の不動産鑑定士協会で時期を得た内容について、積極的に研修が行われているが、その全ては、講師が講義するのを聞いて受講単位を得るという形式のものである。

そのような研修が多くあってもいいと思うが、私たちは全員が不動産鑑定の専門家である。それぞれ不動産鑑定評価の技術的な内容を含めて、意見を持っている。その意見はあるいは間違っているかも知れないが、発表することにより間違いに気づくこともあるし、聞いた人も新たな刺激を受けることもある。

私はできるだけ双方向の研修会、即ちディスカッションの場にしたいと思っており、委員会で検討の結果、今回は全ての鑑定士が日々対応している「正常価格」を題材に選んだ。

中国会以外からもご参加頂き、近年になく120名以上の盛大な研修会となった。
基調講演として、平成14年の基準改正の時に、第1番目の論点であった「正常価格」について、当時の改正ワーキンググループの座長をお招きし、検討された内容を講演して頂いた。
その後、鑑定士同士で忌憚のない意見交換を行った。

研修会への準備としては、まず「正常価格」についての論文を募集した。内容は理論的側面に重点を置いたもの、実務的側面に重点を置いたもの等様々であったが、中国不動産鑑定士協会の会員から全体で11本の論文を提出して頂いた。
提出して頂いた方は、忙しい仕事の合間に時間を作り、考えをまとめて頂き、本当に感謝している。

11本の論文を研修会のディスカッションの対象にすると、時間の関係で焦点が散漫となる可能性があることから、事前に論文提出者の発表会と検討会を半日かけて行った。
忙しい中、全員が参加して頂き活発な意見交換が行われたが、ここでも時間が少し足りなかったように思う。

そして、検討会で論点となった内容の一部について、研修会のディスカッションの対象とした。
内容は、次の二つである。

○理論的側面
過去の基準の定義の文言の改正に伴い「正常価格」の内容が変化したのか。
○実務的側面
依頼目的及び条件により「正常価格」は異なるのか。

不動産鑑定評価基準は、昭和39年に制定された後、昭和44年、平成2年、平成14年、平成19年に改正されている。「正常価格」については、定義の文言が訂正されているのみで、実質的な内容には変化がないことが、概ね確認できたが、実務的側面の、依頼目的と価格については、実に多くの意見が出された。
依頼目的により価格が変わるという意見と、変わるべきではないという双方の意見が活発に出された。

不動産の価格を付けることを仕事としている不動産鑑定士にとって、その価格論はもっともっと議論されなければならないと思うが、双方の意見が出たことに、不動産鑑定士としての健全さを感じ、今後更にこのような足もとの議論をしていく必要があると感じている。

ご協力頂いた皆様に深く感謝します。

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